RENTRER EN SOI(ラントランソワ)というバンド名を、2000年代のヴィジュアル系シーンを掘っていた人なら覚えているかもしれません。
2001年に結成され、2008年に解散したヴィジュアル系ロックバンドで、フランス語のバンド名と耽美的な世界観で長く独自のポジションを築いていました。
ボーカルだった砂月(Satsuki)は、解散後もシーンの第一線で活動を続けています。
RENTRER EN SOIの読み方は?バンド名の意味とは?
RENTRER EN SOIは「ラントランソワ」と読みます。
正式表記はオールキャピタルの「RENTRER EN SOI」で、フランス語そのままのスペルがバンド名として採用されています。
2001年6月18日に結成され、2008年12月25日に解散した、日本のヴィジュアル系ロックバンドです。
バンド名の意味は、フランス語で「自己への帰還」「自分自身に立ち返る」という哲学的な概念です。
「rentrer」は「戻る」「帰る」、「en soi」は「自分自身に」という意味で、自己の内面に深く潜っていくというニュアンスを持つフレーズになります。
(出典:Wikipedia「Rentrer en Soi」項目・2026年4月確認)
ヴィジュアル系シーンの中でも、フランス語のバンド名そのものに哲学的な意味を込めるバンドは多くありませんでした。
RENTRER EN SOIは、マリス・ミゼルが切り拓いたフランス語+耽美の流れを継ぐ存在として、2000年代前半から半ばのシーンで独自の位置を築いていました。
派手さで勝負するというより、内省的な世界観を音と詞でじっくり構築するタイプのバンドでした。
わたしはRENTRER EN SOIというバンド名を初めて知ったとき、その読み方の難しさにまず驚きました。
「ラントランソワ」と覚えるまでに何度か読み直した記憶があります。
バンド名のとっつきにくさそのものが、彼らの音楽性の門の高さを象徴しているような気もしていました。
RENTRER EN SOIのメンバーは誰?砂月ら5人のwiki
RENTRER EN SOIは、結成期から解散までの大半の期間、5人組のロックバンドとして活動していました。
2001年の結成時は、ボーカルの砂月(Satsuki)、ギターのTakumi、ギターのRyo、ベースのAoの4人でスタートしています。
2003年3月にドラムスのMikaが加入し、編成が5人組へと拡大しました。
ベースのAoは2004年2月のツアー終了時に「振る舞いに問題があった」として脱退し、その代わりに同年中にShunがベースとして加入しています。
最終的には、砂月・Takumi・Ryo・Shun・Mikaの5人体制で、解散までの活動の大半を過ごしました。
(出典:Wikipedia「Rentrer en Soi」項目・Visual Kei Encyclopaedia「RENTRER EN SOI」・2026年4月確認)
ボーカルの砂月はバンドの世界観の中心人物で、楽曲の作詞も多く担当していました。
低音から鋭く立ち上がる中高音まで、感情の振れ幅を大きく使うボーカルスタイルで、RENTRER EN SOIの楽曲のドラマ性を支える存在です。
ヴィジュアル系シーンの中でも、砂月のボーカルは「歌うというより演じる」タイプの表現として記憶されています。
わたしはRENTRER EN SOIのメンバー写真を当時の音楽雑誌で見ていた記憶があり、5人それぞれが舞台俳優のような佇まいを持っていたのが印象に残っています。
ロックバンドの集合写真というより、舞台演劇のキャストの宣材写真のような統一感で、5人のキャラクターが組み合わさってひとつの物語を構成しているように見えるのが、このバンドの特徴でした。
RENTRER EN SOIはなぜ解散した?2008年の最後とは?
RENTRER EN SOIは2008年9月17日に解散を発表し、同年12月25日のクリスマス公演をもってバンドの活動に終止符を打ちました。
解散の理由について、公式に明確な説明は行われませんでした。
ヴィジュアル系シーンでは「方向性の不一致」「メンバーの個別志向」が解散理由として説明されることが多いのですが、RENTRER EN SOIはその種の説明すら省いた形での解散でした。
理由を明示しないことそのものが、バンドの内省的な世界観と一貫していた、と振り返ることもできます。
(出典:Wikipedia「Rentrer en Soi」項目・2026年4月確認)
12月25日のクリスマスを最終公演に選んだ点も、ヴィジュアル系の文脈では象徴的な日程でした。
冬至を過ぎた直後の聖夜という、日本人にとっても情緒的な意味を持つ日にバンドの幕を下ろすという美学は、RENTRER EN SOIらしい締めくくり方だったと言えます。
2001年の結成から2008年の解散まで、約7年半の活動期間でした。
わたしはRENTRER EN SOIの解散ニュースを当時の音楽サイトで読んだとき、理由が示されていないことに対して妙に納得していました。
このバンドが「自己への帰還」というフレーズを背負っていた以上、最後は内に向かって静かに終わるのが筋だったのだと思います。
派手な引退劇を選ばないというのも、ひとつの完成された結末のかたちです。
RENTRER EN SOIの代表曲は?耽美的な世界観の楽曲wiki
RENTRER EN SOIの代表曲を1曲挙げるのは少し難しく、ファンの間でもアルバム単位で語られることの多いバンドです。
「STIGMATA」「Stigmatic Vortex」「ANUBIS」など、ダーク・ゴシック寄りの楽曲が代表曲として挙げられることが多いタイプのバンドでした。
楽曲の特徴は、ヘヴィなギターと砂月の劇的なボーカル、そしてフランス語・英語・日本語が混在する歌詞構造にあります。
ヴィジュアル系の中でも、メロディックなポップ路線とは対極にある「重く沈む側」の音作りで、リスナーを楽曲の世界の中に引きずり込むタイプの音響を持っていました。
(出典:Wikipedia「Rentrer en Soi」項目・generasia「RENTRER EN SOI」・2026年4月確認)
アルバム作品としては、複数のフルアルバムとミニアルバムをリリースしており、それぞれが「コンセプトアルバム」として機能する濃度を持っていました。
シングルヒットを狙うのではなく、アルバム1枚を物語として聴かせるバンドだったため、シングル曲よりもアルバム楽曲のほうが代表作として挙げられることが多いのも、RENTRER EN SOIの個性です。
わたしはRENTRER EN SOIの楽曲を聴き返すと、いまも空気が冷たくなるような感覚を覚えます。
ヴィジュアル系というジャンルの中で、ここまで内省と耽美に振り切ったバンドはそう多くなく、聴き手を選ぶ代わりに、選ばれた聴き手にはどこまでも深く刺さる音を出していました。
2000年代ヴィジュアル系の地下水脈に大きな影響を残したバンドのひとつです。
RENTRER EN SOIの現在は?砂月のソロ活動と元メンバーの今は?
RENTRER EN SOIとしての再結成は、2026年現在まで行われていません。
ただしボーカルの砂月は、解散後も精力的に活動を続けています。
砂月は2009年2月14日(バレンタインデー)に公式ウェブサイト「THE MOON」を開設し、デビューシングルのリリースと初のソロライブを発表しました。
ヴィジュアル系シーンでのソロボーカリストとしての活動を本格化させ、その後も楽曲リリースとライブを続けています。
2011年には音楽ユニット「Moon Stream」を結成し、また同年にはKisakiが主宰する「Kisaki Project」にも参加するなど、ヴィジュアル系シーンの中で複数のプロジェクトに関わってきました。
さらに俳優としても活動し、ヴィジュアル系を題材にしたバラエティ番組「VisuBara」のMCを務めるなど、活動の幅を広げ続けています。
(出典:Satsuki Wikipedia項目・generasia「Satsuki (musician)」・2026年4月確認)
ほかのメンバー(Takumi・Ryo・Shun・Mika)の解散後の活動は、バンドや音楽サポートなどそれぞれ別の道に進んでいるとされていますが、表立ったメディア露出は砂月に比べて控えめです。
RENTRER EN SOIというバンドの「自己への帰還」というコンセプトは、メンバーがそれぞれ自分の場所に静かに戻っていく、という意味でも結末として整合していたとも言えます。
わたしはRENTRER EN SOIというバンドが「自己への帰還」をバンド名に掲げた以上、解散後にメンバー全員が華々しく目立つ必要はなかったのだと思います。
砂月が今もシーンで歌い続け、ほかのメンバーがそれぞれの場所にいる。
それで充分にRENTRER EN SOIというバンドの物語は完結している、というのが2026年の今のわたしの感じ方です。


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