「おかあさんといっしょ」のたいそうのおにいさんといえば、自分が子供だったころに観ていた当時のおにいさん、あるいは自分の子供と一緒に観ているいまのおにいさんを思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。
1961年の番組スタートから現在まで、計13人が就任してきた歴史があります。
わたしも「ぞうさんのあくび」のひろみちおにいさんを観ていた世代として、いまのかずむおにいさんを子供と観ながら、歴代の今が気になって調べてみました。
たいそうのおにいさんの歴代は?1961年から13人の系譜とは?
たいそうのおにいさんは、NHK「うたのえほん」(1961年〜1976年)「おかあさんといっしょ」(1976年〜現在)の中で体操・運動パートを担当する男性出演者の役名です。
1961年の番組スタートから2026年までで、計13人が就任してきました。
歴代の在任期間にはばらつきがあり、特に2000年代以降の3代の在任期間は10年〜14年と非常に長く、ひとりのおにいさんが世代をまたいで番組を支える流れが定着しました。
親世代の記憶に残っているのは、10代目佐藤弘道(ひろみちおにいさん)、11代目小林よしひさ(よしおにいさん)、12代目福尾誠(まことおにいさん)、そして現役の13代目佐久本和夢(かずむおにいさん)の4人です。
(出典:Wikipedia「たいそうのおにいさん」項目・マイナビニュース「『おかあさんといっしょ』歴代体操のおにい(兄)さんを紹介!」・2026年4月確認)
これら4人だけで合計32年以上をカバーしており、1990年代前半から2026年までの「Eテレで朝の体操をしてきた大人」の系譜が、ほぼこの4人で説明できます。
特に10代目→11代目の交代が2005年、11代目→12代目の交代が2019年と、節目の年に世代交代が起きてきた流れです。
わたしは「ひろみちおにいさん」「よしおにいさん」と聞くだけで、当時のEテレの朝の空気が頭の中で再生されるタイプの世代です。
これだけ長く番組を支えてきた人たちが、それぞれ卒業後にどんな人生を歩んでいるのかは、見ているこちらにとっても気になる話題です。
たいそうのおにいさん10代目佐藤弘道(ひろみち)の現在は?脊髄梗塞からの復帰とは?
たいそうのおにいさん10代目の佐藤弘道は、1993年4月から2005年4月までの12年間在任しました。
「ひろみちおにいさん」の愛称で国民的な人気を博し、担当コーナーは「ぞうさんのあくび」「あ・い・うー」など、いまも世代の合言葉として残っているシリーズです。
卒業後の佐藤弘道は、子供向けイベント・教育番組・幼児教育の現場で長く活動を続けており、おかあさんといっしょOBの中でも特に幅広いフィールドで「子供と体を動かす仕事」を継続してきた人物です。
ところが2024年6月、衝撃的なニュースが発表されます。
「脊髄梗塞」を発症し、下半身麻痺の状態になっていることを本人が公表しました。
(出典:Wikipedia「佐藤弘道」項目・ranking.net「歴代たいそうのおにいさん人気ランキング」・2026年4月確認)
脊髄梗塞は、脊髄に栄養を送る血管が詰まることで起こる病気で、突然下半身が動かなくなるという深刻な後遺症が残るケースが多い病気です。
特に若年層での発症はまれで、長年にわたって体育・体操の現場で活動してきたひろみちおにいさんの発症は、当時のEテレファン世代にとって大きな衝撃でした。
しかし、それから4ヶ月後の2024年10月、佐藤弘道はおかあさんといっしょ65周年スペシャルにゲスト出演を果たしています。
車椅子を使いながらも番組のステージに帰ってくるという復帰の早さに、多くのファンが励まされる結果になりました。
65周年という番組史にとっても重要な節目の特番に、10代目の歴代おにいさんが帰ってくるという構図は、ドキュメンタリーよりもドキュメンタリーらしい瞬間でした。
わたしは佐藤弘道の脊髄梗塞のニュースを2024年に知って、しばらく言葉が出ない感覚を味わいました。
あれだけ動き続けていた人が突然動けなくなるという事実の重さと、それでも4ヶ月でステージに戻ってくる執念。
ひろみちおにいさんを観ていた世代の親が、いまも「動き続けることの意味」を彼の生き方から受け取り続けています。
たいそうのおにいさん11代目小林よしひさ(よしお)の現在は?ブンバ・ボーンと最長14年の背景とは?
たいそうのおにいさん11代目の小林よしひさは、2005年4月から2019年3月までの**14年間**在任しました。
これはたいそうのおにいさん歴代の中で最長の在任期間で、12代目福尾誠の4年・10代目佐藤弘道の12年と比べても突出した長さです。
担当コーナーで世代の合言葉として残っているのが「ブンバ・ボーン!」で、2010年代を通して幼児期を過ごした子供たちと、その親世代の記憶に深く刻まれている体操・楽曲です。
ブンバ・ボーン世代の親はいまや30代から40代にかけて広がっており、「自分が子供と一緒に踊った」という共通体験をいまも持ち続けています。
(出典:Wikipedia「たいそうのおにいさん」項目・All About「卒業後も活躍したと思う歴代の『たいそうのおにいさん』ランキング」・2026年4月確認)
小林よしひさは卒業後も、子供向けイベントや教育系コンテンツでの活動を続けており、テレビ・ステージの両方で精力的に動いています。
14年間で築いた信頼を、ファンとの直接対面のイベントに変換していくスタイルで、おかあさんといっしょOBの代表的なキャリアパスを歩んでいます。
ちなみに小林よしひさは、たいそうのおにいさん卒業後に結婚を発表しており、家庭人としても新しいフェーズを迎えています。
14年間という長期にわたって独身を貫いた現役期間と、卒業後のスムーズな家庭への移行というコントラストは、おかあさんといっしょキャストの「現役中は独身」という構造的なルールを象徴する事例でもあります。
わたしは「ブンバ・ボーン!」を子供と一緒に踊った経験は直接ないのですが、当時の保育園・幼稚園で全国の子供たちが踊り狂っていたあの光景の中心に小林よしひさがいた、という事実は記憶に残っています。
14年という最長記録は、これからもしばらく破られないはずの数字です。
たいそうのおにいさん12代目福尾誠の現在は?4年で卒業した経緯は?
たいそうのおにいさん12代目の福尾誠は、2019年4月から2023年3月までの4年間在任しました。
歴代と比べるとかなり短い在任期間で、これはたいそうのおにいさんとしてはやや異例の早期卒業です。
福尾誠の最大の特徴は、筑波大学大学院出身の博士課程在籍者という、おにいさん歴代の中でも極めてアカデミック路線の経歴を持っている点でした。
体操競技と研究の両立をしながらたいそうのおにいさんを務めるという立場は、過去のおにいさんと比べてかなり異色のキャリアパスです。
(出典:Wikipedia「福尾誠」項目・オリコン「『おかあさんといっしょ』第13代 体操のお兄さんは大学3年生・佐久本和夢に 福尾誠は卒業」・2026年4月確認)
卒業の理由は明確には公表されていませんが、博士課程の研究を本格化させる時期と重なっていたとされています。
おにいさんの仕事と博士論文の執筆を両立するのは現実的に難しく、研究者としてのキャリアを優先する形での卒業だったと推察できます。
卒業後の福尾誠は、研究と体育・体操の指導を並走させる形で活動を続けています。
コラムや専門書での寄稿、大学・教育機関での講演、テレビ出演など、おにいさん経験者でありながら学者としての顔を持つ稀有な存在です。
14年最長の小林よしひさからバトンを受け取って、4年で次の世代に渡したという「短いけれど濃い在任」が、12代目の特徴になっています。
わたしは福尾誠が卒業して佐久本和夢にバトンタッチされた2023年4月のニュースを聞いて、「博士課程の研究者がEテレを離れる」という構図そのものに、独特の感慨を覚えました。
博士論文を仕上げるために朝のテレビを離れる、というキャリアパスは、おかあさんといっしょOBの中でもかなり珍しい選択です。
たいそうのおにいさん13代目佐久本和夢と、歴代のおにいさんの今後は?
たいそうのおにいさんの現役は、13代目佐久本和夢(かずむおにいさん)です。
2023年4月3日に就任し、2026年現在は3年目に入っています。
青森大学の現役学生だった21世紀生まれ初のたいそうのおにいさんで、男子新体操の実績と子供への指導経験を背景に、新しい世代の朝の体操を支えています。
たいそうのおにいさんは、女性側の「たいそうのおねえさん」が2026年に廃止されて「おどりのおねえさん」に変わったのに対し、男性側はそのまま継続出演という形で残りました。
2026年4月以降は、たいそうのおにいさん(佐久本和夢)と初代おどりのおねえさん(アンジェ)の組み合わせという、これまでにない新しいコンビ編成での運営になっています。
(出典:Wikipedia「佐久本和夢」項目・各歴代Wikipedia項目・2026年4月確認)
歴代13人を並べて見えてくるのは、卒業後のキャリアパターンが3つに分かれることです。
ひとつは佐藤弘道のような「子供向けイベント・教育の継続」、ふたつめは小林よしひさのような「タレント・俳優として拡張」、みっつめは福尾誠のような「研究者・専門家としての別キャリア」というパターンです。
全員が「次のフィールドで動き続けている」という共通点があり、たいそうのおにいさんが終わった人生は次の場所で継続するのが13人の歴代の特徴です。
わたしは2026年5月の朝、3歳の子供と一緒にかずむおにいさんの体操に合わせて動きながら、「ひろみちおにいさんの脊髄梗塞、よしおにいさんのブンバ・ボーン、まことおにいさんの博士、そしていまの21世紀生まれ世代」と、歴代を頭の中で並べていました。
1961年から65年で13人。
それぞれが朝のEテレで動き続けてきた時間の総量は、子育て世代の朝の景色そのものを作ってきた装置として、これからも更新されていくはずです。


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